アンチマルチ本を漁る−2
2008.05.04 Sun
『地獄のマルチ商法』 大下 英治著
モロなタイトルである。マルチ商法のみを取り上げた小説ではない。
ひと昔前に事件になった豊田商事の経営者を題材にしたお話しである。
上っ面の良すぎる会社にはご用心。本当にいい会社は「サラリーマンの誰もが憧れるあのXXXタワーにオフィスがあるねん!」なんて自慢せんだろう。それに、まともなビジネスマンはそれがすごい事だとは誰も思うまい。主人公は自分や経営する会社の見た目を異様に気にする設定になっている。DT連中のいう成功者とやらにも共通する見栄っ張りな性分だ。そんなモノに惹かれてそんな奴らが集まってくるのだな。
この男、末路もあの事件のように書かれていて、そこがちょっと不満である。実在の悪い奴らにはもっと悲惨な最期がふさわしい。例えば村上龍の『半島を出よ』で悪徳企業家が北朝鮮の侵攻軍に狩られていくように。

